ギフテッドの子供達を理解する

久々にギフテッド関連のエントリーです。


私が所持する数々のギフテッド/2E関係の書籍の中でも、読んで
いてもとてもわかりやすく参考になるのがこちらの
「The MislabeledChild」というタイトルの本。


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              「The MislabeledChild」

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この本は、

”The Mislabeled Child examines a full spectrum of learning disorders,
from dyslexia to giftedness, clarifying the diagnoses and providing
resources to help.”



と、基本的には学習障碍や発達障碍などといった、広範囲にわたる様々
な障碍について書かれた本なのですが、最後の方には”ギフテッド”
関した支援や情報も加えられており、障碍&ギフテッドである2Eの子
を持つ親にとっても、大変素晴らしい情報源となる本であります。


その本の著者である、 Drs. Brock and Fernette Eide(多分夫婦)が、
あるギフテッドのコンファレンスでのプレゼンテーションの際用いた
スライドを見つけましたので、皆さんとシェアしたいと思います。


「Understanding Gifted Children」というタイトルのこのプレゼン、
ギフテッドの子供達の”発達”や”脳の回路”についての違いや、ギフテッド
独特の”意欲”や”興味関心”又、”気質、性格”などについてなど、洞察力
あふれた考察や説明、そして情報が満載されいて、周りからは誤解され
やすく、時には”不可解”とも思われがちなギフテッドの子供達の特徴が、
簡潔にまとめられたスライドであります。


これ、英語なのですが、文章自体はとてもシンプルに箇条書きされてる
ので、たまに表れる特別用語の意味さえ辞書で調べれば、そんなに英語
が得意でない方達でも比較的理解しやすいのではないか?と思います。


こちらをクリックするとスライドが見れるサイトへリンクします。
                  
          
           「Understanding Gifted Children」

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なかなかうなずける情報がいっぱいであります。045.gif


このスライドの中で私が特に印象的だった箇所をいくつか抜粋すると...

Development(発達)の分野においての特徴として、

■Gifted Development Is Often Uneven.
(ギフテッドの子の発達は凸凹の場合が多い。)

WISC-III VIQ (VRI) / PIQ (PRI) Discrepancies – 18 Points or More
(WISC-III VIQ (VRI) / PIQ (PRI)の違いが18以上。)

・Control Sample(一般のサンプル)    17.0 %
・Gifted Sample (ギフテッドのサンプル) 54.7 %

と、ギフテッドの子達の間でも、言語と動作の間の差がみられるのは
決して珍しい事ではないという事。

この辺、発達障碍の特徴とも似てるとも言えますよね。

ギフテッドは更に知的分野と社会的、感情的分野などの発達の差が
激しく、(多くの場合、知性>社会性、情緒”ギフテッド=不均等
な発達”
というアイデアはかなり浸透して来ているのではないか
とは思います。


後、同じく”発達”のエリアにおいて、

■Developmental Patterns Differ By Sex .
(発達のパターンは性別によって異なる)

”Auditory and Visual Attention Improve With Time And Differ by Sex.
Boys Poorer Auditory Attention in Elementary .”

と言う事で、男の子は女の子と比べると、一般的に幼い頃は聴覚的、
視覚的集中力が低いようで、でもこれも時が経つにつれ、次第に向上
していくようです。

ADHDの診断で参考とされる「行動チェック」は、こういった”性別の
違いよる”集中力の発達パターン”を考慮に入れてない場合がほとんど
なので、小学生男子にこういった診断が多く出るのかも?



そしてこちらに関しては、以前の記事でもにとりあげましたが、

■ Gifted Attention Matures Later.
(ギフテッドの子の注意力は一般より遅れて成熟する。)

”The Higher the IQ, the More Delayed Executive Function
(Prefrontal) Maturation.
Delay may be especially pronounced for children with sensory
processing and motor coordination deficits."


知能指数が高ければ高いほど、実行機能(前頭葉)の成熟が遅れ、
この遅れは感覚統合や運動協調の分野に問題がある子に特にみられる
かもしれないという事のようです。


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自閉症やアスペルガー、そしてADHDの子達の中には、「実行機能」
の発達が遅れている子も多く、またもやこういった面も発達障碍に似た
部分とも言え、感覚統合や運動協調性、そしてギフテッドに見られる
OE(過度激動)などの特徴を考えますと、ギフテッドの子達に対する
”誤診”も珍しくないのもうなずけると言うものですよね。


そして上のグラフを見てふと気がついたのですが、最近のあーちゃんは
以前と比べると”実行機能”の分野でかなり目を見張る成長がみられる
ようになったのですが、年齢的から見ても、(もうすぐ12歳になる)
丁度今が”前頭葉の成長ピーク”というところにきているのかな? 
なんて思い、この説も結構信憑性があるかも?と思いました。



Neurobiology(神経生物学)の分野でなるほどと思ったのが、
ギフテッドの脳というのは、

”Increased Sensitivity + Enhanced Memory = Cognitive Flypaper ”
( 感受性増強+拡張メモリー=認知的ハエ取り紙)

と言う事で、感じやすく、そして記憶力が良い事から、インプット
された全ての刺激が脳にくっついてしまう、という事なのですが、
入力された全てが”脳にくっついてしまう”と情報がオーバーロード
気味になってしまうんじゃないか?と思います。


(ちなみに私も以前の記事で”何でも記憶に残って忘れられない現象”
「はえ取り紙」と表現しましたが、ここで同じ表現がでてきたのには
ビックリ!私は知識情報というよりも、主に感情的な記憶について
言ってたのですが。)


こういったギフテッドの脳の特徴から、ギフテッド教育では単に”脳を
様々な知識や情報で充満”させるのではなく、すでに存在する知識や
情報をリンクさせたりオーガナイズするレッスン内容を含むべきだ、
と示唆しています。


これは私も同感です。


思考作業の初期の段階では、知識・情報の習得も大切ですが、高度な
思考力を育成する為には、それらを”分析”したり、”合成”したり、
オーガナイズしたりと”操作”する作業が大切になって来ますし、脳
もそういった作業を望んでいると思います。


まさに”量よりも質”といった感じですね。


そして長くなりますので最後にしますが、(本当にこのスライドには
参考になる情報がいっぱいなので、全部あげられなくて残念です。)
こちらのスライドを見て、あーちゃんの”深読みする、考え過ぎる傾向”
と言うのがなんとなく理解出来た感じでした。


ギフテッドの特徴

■Enhanced Associations
(強化された連想)

ギフテッドの人の脳は、一定のタスクにたいして通常の脳以上のエリア
が活発になるとの事で、fMRIで見るとあらゆる部分が真っ赤に火が
ついたようで、よく、“Brains on Fire”とか言われているのですが、
そのパワフルなリンクのマイナス面として、”Too Many Associations”
という点があげられていて、リンク、又は連想が多過ぎる場合、プロセス
のスピードが落ちたり、記憶の回復が遅れたり、選択の可能性が多くなる。
又、他の人には見えない”問題”が見えたり、(一つの事に対して単一
のリンクではなく、多数のリンクが見えてしまう。)知識の”ギャップ”
(もしくはその可能性)にフォーカスしてしまう傾向がある、との事で、
まあ、要するに、一つの概念から飛躍的な、他人には思いつかないような
分野や項目までコネクションを見いだしたり、一般のものには”見えない”
繋がりとかも見えてしまうんでしょうね。


よく言う、ギフテッドの人は”深読みする傾向にある”というのも、
こういう脳の強烈に強化された”接続性”から来ているのかも知れません。


このスライドを一つ一つじっくり読んで行ってみると、ギフテッドと
言われる人達のとる行動や性質がある程度納得出来ます。


ギフテッドはただ”勉強ができる、頭がいい人”といった表面的な特徴
だけでなく、”脳神経学的部分”が私達一般の者達とは根本的に異なる
のだな〜と、再度ひしひしと感じてしまいました。


このスライド、ギフテッドのお子さんを持つ親御さん達だけでなく、
幼稚園や学校、塾の先生、スポーツやその他の教室の先生やコーチ、
などといった、子供に携わる全ての大人の人達に見てもらい、こう
いった子供達を理解してあげて欲しいなと思いました。


何だかえらい長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとう
ございました。

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by mathkid | 2012-11-05 09:04 | ギフテッド/2E

数学が大好きな14歳の2E kid(ASD&ギフテッド)あーちゃんの日記。 カリフォルニアからネバダに引っ越し新しい学校へ通い始めました。凸を伸ばし凹を支援の精神で頑張ってます。 目指すはMIT or Caltech!


by あーちゃん ママ
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