オキシトシンが自閉症の脳機能を向上させる

先日久しぶりにScience Dailyのサイトをチェックしてみると、
こんなニュースが載ってました。

「Oxytocin Improves Brain Function in Children With Autism」

ScienceDaily (May 19, 2012) — Preliminary results from an ongoing,
large-scale study by Yale School of Medicine researchers shows that
oxytocin -- a naturally occurring substance produced in the brain
and throughout the body -- increased brain function in regions that
are known to process social information in children and adolescents
with autism spectrum disorders (ASD).

イェール大学院医学部で長期的に行われている研究の予備調査結果
によると、脳内ホルモンであるオキシトシンが自閉症児の脳機能
(社会的情報処理を司る部分)の向上に効果がある、といった内容
の記事であります。

この調査では7歳から18歳までのASDの診断を持つ子供と若者が対象
となっていて、研究グループはこれらの対象者に 鼻内噴霧にて
オキシトシンをスプレーし、fMRI(機能的核磁気共鳴断層画像)
より、その効果を観察したそうです。

それによりチームはオキシトシンが脳内の”社会的情報などを処理
する部分”
の機能の活動を促す事を発見したようです。

この”社会的情報処理”というのは、見たり、聞いたり、他人を理解
する為に重要な情報を処理したりする作業で、オキシトシンの投与
はこういった社会的情報処理の部分の活性化に効果的とのようです。

尚、この報告の少し前に、日本でも同じような研究結果が報告
されていたようですね。

(日本のニュースに疎い私は知りませんでした。)

「脳内ホルモン:「オキシトシン」、自閉症の改善に期待 
金沢大研究グループ発表 /石川」


こちらの研究報告は、金沢大研究グループ発表によるもののようで、
米国のものとは違った独自の研究のようですね。

この記事だけでは詳しい事がよくわからいのですが、後、
こんな文献も見つけました。

「オキシトシンと発達障害」

この研究結果報告も金沢大学によるものみたいですが、こちらの方
ではオキシトシンや自閉症、そしてこの2つの関係などについても
説明されていて、更にオキシトシンの分泌に「CD38」という
分子が欠かせない事などかなり細かい事などが書かれています。

ただこのペーパーで私がちょっとカチンと来たところが、
「社会性障害としての自閉症」という項目で自閉症の特質を説明して
いる部分で、

”自閉症は,知能レベルが低く(IQ が 70 以下で), 言葉の発達が遅く,
コミュニケーションが出来ず,こだわりの強い病気である.”


という箇所。

自閉症(ASD)という一般的なカテゴリーとしての言葉を使うの
であれば、こういう書き方をしたら、自閉症に関して知識がない人
が読んだら「自閉症は一般に”知的障害を伴う病気”」と間違った、
もしくは大雑把に一般化した概念をもってしまう恐れがあるん
じゃないか〜〜!と思ってしまいましたよ。

もちろん”知的障害”を伴う自閉症児がいるのも確かです。

でも”自閉症の中には〜”ではなく、”自閉症は知能レベルが低く...”
という断定したような書き方をすると、自閉症について詳しくない
人達が誤った認識をしてしまうのではないかと思うのです。

こんな事述べた後で、”言葉の遅れが存在していたが IQ は低くない
高機能自閉症あるいは,言葉の遅れのない(しかし,使い方に問 題を
含んでいる)社会性の障害を持つアスペルガー症 候群も広汎性発
達障害に入る.「性格が頑固である」,「身勝手が過ぎる」「頑固で,
独特の信念を持ち曲げな い変人」と,俗に他者に意識される一群の
自閉症傾 向をもつ人々も存在し,現在では自閉症圏病
(autism spectrum disorders)と呼ばれるようになった。


とか追加の説明がされてましたが、それにしてもわかり難い説明。

こういう文献を発表するのであれば、もっと適切な、間違った固定
観念を植え付けさせない”言葉”を選んでもらいたいものですよ。015.gif

ったく、”病気”はないでしょうに。

あと、こんな決めつけた表現もすごく主観的だと思った。

”人と人との関係性の障害であり,“人を人と思わない,親と物との
認識に区別が つかない”ことが主因の病気である.”


“人を人と思わない,親と物との認識に区別が つかない”というのは
観察者の見解? それともこういう結果が報告されたリサーチでも
行われたの?

これが“主な原因の病気?”って?013.gif

と、私なりに納得がいかない文章の形態にかなりイラつきました。

まあ、でも捉え方は人それぞれなんで、とりあえず読んでみる価値
はある文献だとは思いますが。

でもオキシトシンと言えば”信頼や愛情にかかわるホルモンとして
知られているし、”自閉症者の血中オキシトシン濃度がほんのわずか
ばかり低い事が報告されている。また,虐待を経験した母親の濃度も
そうでない 母親に比べて低い事が報告された。”
なんて書かれて
あったりしたら、それこそ又、”自閉症児の血中のオキシトシンのレベル
が低いのは虐待にあったり、親の愛情が薄いせい? やっぱり
「親の愛情」「発達障害」にはなんぞの関連性があるんではないか?”
などと理屈もへったくれもない、極端に飛躍した見方をする者が
でてきてはたまったもんじゃない!などと思ったりしたのでした。

(まあ、それほどめちゃくちゃな屁理屈を主張する人もいないと
思いますが。)

でももし、オキシトシンを投与することによって、それまで困難に
感じたあらゆる社会的機能が大幅に改善され、それにより個人の
生活の質が向上するのであれば、これは本当にすごい事ですね。

オキシトシンに関しての研究はこれからも更に続けて行われるよう
ですし、この先の発見を期待したいものです。

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by mathkid | 2012-05-26 12:12 | 自閉症/障碍

数学が大好きな14歳の2E kid(ASD&ギフテッド)あーちゃんの日記。 カリフォルニアからネバダに引っ越し新しい学校へ通い始めました。凸を伸ばし凹を支援の精神で頑張ってます。 目指すはMIT or Caltech!


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